夜中、天井裏から「カリカリ」「ドタドタ」という音が聞こえてきて、眠れない夜を過ごしたことはありませんか?
私も以前、深夜の天井裏から聞こえる物音に悩まされた経験があります。最初は「気のせいかな」と思っていましたが、音は日に日に大きくなり、ネズミが住み着いていることが判明しました。
そこで徹底的に調べて分かったのは、ネズミは私たちが想像もしないような場所から家に侵入しているという事実です。
この記事では、ネズミがどこから侵入するのか、特に天井裏への経路を中心に、実際に確認すべき場所と対策方法をお伝えします。
ネズミは驚くほど小さな隙間から侵入できる
まず知っておきたいのは、ネズミが侵入できる隙間のサイズです。
一般的に、ネズミは以下のサイズの隙間があれば侵入可能です:
- 子ネズミ:1.5cm程度(大人の指が第二関節まで入る程度)
- 成ネズミ:2~2.5cm程度(500円玉くらいのサイズ)
特に体が小さいハツカネズミは、1cm以下の穴でも通り抜けられることがあります。
ネズミは骨格が柔軟で、頭さえ通れば体も通り抜けられるという特性があるため、「こんな小さな穴から?」と驚くような場所が侵入口になっているんです。
さらに、ネズミの前歯は一生伸び続けるため、少しでも穴があれば周辺をかじって広げて侵入してきます。
木材や石膏ボード、ビニール、コンクリートの一部まで齧ることができます。
ネズミの主な侵入経路【外部から建物内へ】
ネズミは建物の外から様々なルートで侵入してきます。代表的な侵入経路を見ていきましょう。
床下の通気口
家の基礎部分にある通気口は、ネズミにとって格好の侵入口です。
通気口に金網が設置されていない場合はもちろん、金網があっても以下の状態だと危険です。
- 築10年以上で金網が劣化している
- リフォーム時にガス管を通すために金網を切断したまま
- 金網の目が粗く、1cm以上の隙間がある
特に北側の通気口は日が当たらず、劣化しやすいので要注意です。
屋根の隙間・外壁との接合部
運動能力の高いクマネズミやハツカネズミは、高所からの侵入が得意です。
屋根周辺のチェックポイント:
- 屋根と外壁の接合部の隙間
- 瓦屋根やトタン屋根の板金のゆるみ
- 棟板金や雨樋の取り付け部分
- 増改築時にできた継ぎ目の段差
古い家屋や増改築を繰り返した建物では、屋根の取り合い部分に微妙な段差や隙間ができやすく、ネズミが侵入しやすい状態になっています。
エアコンの配管導入部
意外と見落とされがちなのが、エアコン周辺です。
エアコンの室外機と室内機をつなぐ配管は、壁に穴を開けて通しています。
この穴と配管の隙間が適切に埋められていないと、そこからネズミが侵入します。
危険な状態:
- エアコン取り付け時に穴と配管の隙間をパテで塞いでいない
- 古いエアコンを外した後、穴に蓋をしていない
- 配管カバーと壁の間に隙間がある
エアコンは高い位置にあるため、ここから侵入するのはクマネズミやハツカネズミが多いです。
換気扇・換気口
浴室、トイレ、キッチンの換気扇も要注意です。
換気扇は外と直接つながっているため、以下の状態だとネズミが侵入します:
- 換気扇の取り付け枠に隙間がある
- フィルターや蓋が取り付けられていない
- 油汚れで蓋が閉まらない状態
- 換気口の金網が破損している
特にキッチンの換気扇は、ネズミが食べ物の匂いを嗅ぎつけて侵入してくるケースが多いです。
配管周り(水道・ガス・電線)
給排水管、ガス管、電線などが壁を貫通している部分は、見逃しやすい侵入口です。
システムキッチンは要注意::システムキッチンは電気、ガス、水道、給湯の配管・配線が集中しており、すべてに壁や床への導入口があります。この導入口とパイプのサイズが合っていないと隙間ができ、ネズミの絶好の通路になります。
洗面所やトイレの配管周り、洗濯機の下なども同様に要チェックです。
玄関・戸袋
玄関周辺:
- 下駄箱の下や上がり框の下にできた隙間
- 玄関扉の下部のわずかな隙間
- 玄関のアプローチタイルと基礎の隙間
戸袋:戸袋の内部は見えにくく、点検も怠りがちです。戸袋の内張りが張られていなかったり、上部や下部に隙間があると、そこから壁の中へ侵入されます。
外壁のひび割れ・劣化部分
外壁材によってもネズミの侵入しやすさが変わります。
最も注意が必要なのはトタン外壁:トタンは劣化しやすく、基礎との隙間ができやすいため、目立たない侵入経路になりやすいです。
また、比較的新しい建物でも、勝手口と基礎のわずかな隙間を利用して侵入するケースがあります。
天井裏へのルート【建物内での移動】
ネズミは一度建物内に侵入すると、壁の中や床下を通って天井裏まで移動できます。
床下→壁の中→天井裏のルート
床下が大きく開いている住宅では、ネズミはどこからでも床下に侵入できます。
そして、床下から壁内を通って天井裏まで移動するのが典型的なパターンです。
壁の中は縦の通路:配管や配線を通すために壁の中には縦の空間があり、ネズミはこれを高速道路のように使います。
室内への侵入口
天井裏から室内に出てくる場所も様々です。
室内への主な侵入口:
- 長押(なげし):和室の建具の上部にある部材。特に和室で多い
- 上がり框:玄関の段差部分の下
- 配電盤周辺:壁に穴が開いているため
- 仏壇・神棚周辺:構造上隙間ができやすい
- エアコン導入口:室内側からも侵入可能
「エアコンに逃げ込むネズミ」を目撃した場合、実際には壁の中に戻っている可能性が高いです。
システムキッチンの内部
キッチンは圧倒的に侵入経路になりやすい場所です。
システムキッチンは見た目は機能的ですが、配管・配線が集中しており、すべてに導入口があるため、ネズミにとっては絶好の通路です。
導入口からシステムキッチンの内部に侵入し、やがて室内へ飛び出してきます。
ネズミの種類別の侵入経路の特徴
日本の家屋に出るネズミは主にクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種類ですが、種類によって好む侵入経路が異なります。
クマネズミ:高所からの侵入が得意
都市部のビルやマンションに多く出没するクマネズミは、運動能力が非常に高いのが特徴です。
得意なこと:
- 垂直な壁を登る
- 電線を綱渡りする
- 1メートル以上ジャンプする
主な侵入経路:
- 屋根の隙間
- エアコンの配管
- 換気扇
- 2階以上の高所
チェックポイント
クマネズミは考えられる侵入経路が最も多様なため、対策を考える際はクマネズミを念頭に置いて侵入経路を封鎖していくのが効果的です。
ドブネズミ:地上・地下からの侵入
3種類の中で最も体が大きいドブネズミは、高いところへ登るのが苦手です。
主な侵入経路:
- 床下の通気口
- 下水管
- 建物の低層部分
- 水洗トイレの便器(泳ぎが得意なため)
屋根やエアコンのパイプを伝って侵入する例はあまり見られないため、マンションの高層階ではドブネズミの被害は少ない傾向にあります。
ハツカネズミ:最小の隙間から侵入
体長5~10cmと最も小さいハツカネズミは、他のネズミが入れない狭い場所からも侵入できます。
主な侵入経路:
- 壁の割れ目
- 屋根の隙間
- シャッターの隙間
- 極めて小さな通気口
また、まれなケースですが、運び込まれる荷物の中に紛れ込んで侵入してくることもあります。
侵入経路の特定方法【ラットサインを探す】
「ネズミがいるのは分かるけど、どこから入っているか分からない」という場合は、ラットサインを探しましょう。
ラットサインとは
ラットサインとは、ネズミが通った場所に残す特有の痕跡のことです。
主なラットサイン:
- 黒ずんだ汚れ(スミアマーク):壁際や柱に残る黒っぽい筋
- 糞:長さ5~10mm程度の黒いパラパラとした糞
- 足跡・尾の跡:埃の上に残る小さな足跡
- かじり跡:木材、段ボール、電気コードなどが齧られている
- 独特な臭い:アンモニア臭のようなツンとした匂い
ラットサインから侵入口を特定する
ネズミは視力が弱く、壁などに体を当てながら移動する習性があります。
さらに同じ道を何度も通るため、体についた油や汚れが通り道に蓄積して黒ずんでいきます。
このラットサインを辿っていけば、どこから出入りしているかを特定しやすくなります。
ラットサインが見つかりやすい場所:
- 壁の角
- 家具の裏
- 天井のふち
- 配管沿い
小麦粉やベビーパウダーを使う方法
ネズミが出入りしていると思われる場所に、小麦粉やベビーパウダーを薄く撒いておくと、通過した際に足跡や体の跡が残り、目視では分からなかったルートを可視化できます。
侵入経路を塞ぐ具体的な方法
侵入経路を特定できたら、すぐに塞ぎましょう。ネズミは一匹駆除しても、侵入口が開いたままでは次々と入ってきてしまいます。
塞ぐ際の基本ルール
重要な順番: まず屋内の侵入口を塞いでから、屋外の侵入口を塞ぎます。これは、ネズミを屋内に閉じ込めないようにするためです。
使用する材料:
- 金網・防鼠金網:広めの隙間に適している。ハサミで切れる
- ステンレスたわし(台所用):手でちぎれ、穴に詰めやすい
- 防鼠パテ:唐辛子の辛み成分が含まれているパテ
- パンチングメタル:頑丈で外れにくい
注意点: もろい素材ではネズミに齧られて突破されてしまうため、金属製の丈夫な素材を選びましょう。
場所別の塞ぎ方
通気口: 完全に塞ぐと風通しが悪くなるため、ネズミが通れないくらいの穴が適度に開いている防鼠金網で塞ぎます。
外壁の穴・ひび割れ: 防鼠パテで埋めます。
配管周りの隙間: 配管と穴の隙間にステンレスたわしを詰めてから、防鼠パテで仕上げます。
エアコンの穴: 使っていないエアコンの穴は、必ず蓋をします。現在使用中のエアコンも、配管と穴の隙間をしっかりパテで埋めます。
自力での対策が難しい場合は
ネズミの侵入経路を特定し、すべての侵入口を塞ぐのは、実際にはかなり難しい作業です。
プロに頼むべき理由
- 高所作業の危険性
- 外壁のひび割れ修繕や、天井裏に直結する換気口への金網設置は高所での作業となり、素人には危険です。
- 見落としのリスク
- 素人では判断がつかないような、思いもがけない場所から侵入してくることがあります。
プロの駆除業者なら、家や建物をある程度確認しただけで侵入口を判明してくれます。 - 防鼠工事は長期的な投資
- 防鼠工事は一度やってしまえば、その後何十年もネズミ予防に効力を発揮してくれます。
費用相場も2.5~5万円程度で、それほど高額ではありません。
さらに、業者はネズミを追い出して防鼠工事をするだけでなく、糞やダニで不潔になった天井裏の清掃・消毒までやってくれます。
ネズミの侵入を防ぐために今すぐできること
侵入経路を塞ぐ前に、今日からできる予防策もあります。
エサとなるものを放置しない:
- 食べこぼしはすぐに掃除
- 生ゴミはその日のうちに処分
- ペットフードは出しっぱなしにしない
- 開封後の食品は密閉容器に保管
巣の材料を与えない:
- 使わない布団や毛布は密閉して保管
- 新聞紙や布は放置しない
- ティッシュやビニール袋も整理する
定期的な点検:
特に秋から冬にかけて、ネズミは寒さを避けて家に侵入してきます。この時期の前に、家の周りを点検し、1.5cm以上の隙間がないか確認しましょう。
ネズミの侵入を防ぐには経路の特定と封鎖が最重要
ネズミは1.5~2.5cmという驚くほど小さな隙間から侵入できます。
床下の通気口、屋根の隙間、エアコンの配管部、換気扇、配管周りなど、侵入経路は家のあらゆる場所に存在します。
特に天井裏へは、床下から壁の中を通って到達するため、外部の侵入口を塞がない限り根本的な解決にはなりません。
ラットサインを手がかりに侵入経路を特定し、金網やパテでしっかり塞ぐことが最も効果的な対策です。
ただし、すべての侵入口を自力で見つけて塞ぐのは困難です。
高所作業の危険性や、見落としのリスクを考えると、プロの業者に相談することも賢明な選択です。