無料のスマホアプリでネズミを追い出せたら、お金も手間もかかりません。
しかし、「本当に効くの?」「安全なの?」と不安になりますよね。
結論から言うと、無料の超音波アプリは「試す価値はあるが過信してはいけない」レベルです。
この記事では、超音波アプリが効きにくい理由、実在するアプリの探し方、安全性、そして確実なネズミ対策まで、徹底的にリサーチした情報をお伝えします。
無料の超音波アプリは「試す価値はあるが過信NG」
効くケース/効きにくいケースのざっくり目安
無料の超音波アプリが効果を発揮しやすいケースと、効きにくいケースを整理します。
効果が期待できるケース:
- 侵入したばかりで、まだ巣を作っていない段階
- 1匹程度の少ない個体数
- 壁の中や天井裏など、狭い空間にいるネズミ
- 警戒心が比較的弱いハツカネズミ
効きにくいケース:
- すでに繁殖して個体数が多い
- 長期間住み着いており、家に慣れている
- 警戒心の強いクマネズミ
- 広い空間全体を対策したい場合
- 壁や家具が多く、音波が届きにくい環境
実際にアプリを使った人の口コミでは、「数日で静かになった」という成功例もあれば、「一時的には効いたが、すぐ戻ってきた」という声も多く見られます。
「一時しのぎ」になりやすい理由
超音波アプリが「一時しのぎ」になりやすい最大の理由は、ネズミの学習能力の高さです。
ネズミは環境への順応や学習能力が高い動物で、最初は嫌がって逃げても、同じ音に長時間さらされると慣れてしまいます。
加えて、侵入口が塞がれていない限り、追い出しても再び戻ってくる可能性が高いです。
そのため、超音波アプリは「完全駆除」ではなく、あくまで「追い払い・時間稼ぎ」の役割と考えてください。
そもそも超音波でネズミは逃げる?仕組みをやさしく解説
超音波とは(周波数の基本)
超音波とは、人間には聞こえないほど高い周波数の音のことです。
| 対 象 | 可聴範囲 |
|---|---|
| 人間(成人) | 約20Hz~20,000Hz(20kHz) |
| 人間(若年層) | 約20Hz~22,000Hz(22kHz)まで聞こえることも |
| ネズミ | 約1Hz~100,000Hz(100kHz) |
| 犬 | 約40Hz~65,000Hz(65kHz) |
| 猫 | 約45Hz~85,000Hz(85kHz) |
一般的に、20kHz以上の音が「超音波」と呼ばれます。
ネズミは人間よりもはるかに広い範囲の音を聞き取れるため、超音波帯域の音も知覚できます。
ネズミが嫌がると言われる音の特徴
ネズミ駆除用の超音波は、ネズミが不快に感じる周波数の音を大音量で流すことで、居心地を悪くして追い出す仕組みです。
ネズミが嫌がると言われる周波数:
- 20kHz
- 40kHz
- 60kHz
人間で例えるなら、騒音被害に耐えられないくらいの大音量を、ネズミだけに聞かせるという発想です。
ただし重要なのは、「ネズミに聞こえる=駆除できる」ではないという点です。
音が出ていても、音圧(音の強さ)が不十分だったり、壁や家具で減衰したりすると、効果は大きく低下します。
スマホの無料アプリが効きにくいと言われる理由
スマホスピーカーの周波数・音の強さの限界
無料の超音波アプリが効きにくい最大の理由は、スマホのスピーカー性能の限界です。
周波数の限界:
- ネズミ駆除で効果的とされる周波数:40kHz以上
- 標準的なスマホスピーカーが出せる周波数:20~22kHz程度まで
- 実在するアプリの仕様:15~20kHz(モスキート音域)に寄りがち
つまり、スマホアプリは「ギリギリ超音波帯域」の音しか出せず、ネズミ対策としては「本命帯域」からズレている可能性が高いのです。
音圧(音の強さ)の限界:
- ネズミ駆除で効果的とされる音圧:95dB以上
- スマホスピーカーの音圧:専門機器に比べて大幅に低い
専門の超音波駆除器と比べると、スマホは「音の強さ」が圧倒的に不足しています。そのため、広い範囲や壁の裏側にいるネズミには十分響かないケースが多いです。
壁・家具で減衰する/部屋の条件で効き方が変わる
超音波は直進性が強いため、障害物があると大きく減衰します。
効果が届きにくい場所:
- 壁の向こう側
- 家具の裏側
- 天井裏や床下(スマホを置けない場所)
- 広い部屋全体(1台のスマホでは範囲が限られる)
そのため、1台のスマホだけでは家全体をカバーできません。
複数のスマホやタブレットを使って、ネズミの通り道や巣の近くに置く必要があります。
慣れ(学習)で効果が薄れることがある
ネズミは環境への順応や学習能力が高いため、同じ周波数の音に長時間さらされると慣れてしまいます。
対策:
- 周波数をランダムに変化させる
- 複数の周波数を交互に使う(20kHz、40kHz、60kHzなど)
- 専門機器では、周波数を自動変化させる機能がある
ただし、無料アプリでは周波数の自動変化機能がないものが多いため、手動で切り替える手間がかかります。
無料の「超音波系」アプリの探し方(iPhone/Android)
App Store / Google Playでの検索ワード例
App StoreやGoogle Playで実際に無料の超音波アプリを探す方法です。
検索ワード例:
- 「超音波バリア」
- 「ネズミ 超音波」
- 「モスキート音」
- 「周波数ジェネレータ」
- 「害虫 忌避」
実在する代表的な無料アプリ
- ネズミ(20kHz)、蚊(17kHz)、犬(18kHz)、猫(19kHz)などに対応
- アイコンをタップするだけで超音波が発生
- バックグラウンド再生対応
- 1Hz~22,000Hzまで細かく周波数を設定可能
- ネズミ駆除専用ではないが、カスタマイズ性が高い
- 周波数を自分でコントロールしたい人向け
選ぶときに見るポイント(周波数調整・連続再生・広告量など)
アプリ選びで重視すべきポイントは以下の通りです。
1. 周波数の調整機能
- 固定の周波数しか出せないアプリよりも、複数の周波数を選べるアプリが有利
- ネズミが慣れたと感じたら、周波数を変更できる
2. バックグラウンド再生対応
- 画面を消した状態でも音を出し続けられる
- スマホを持ち歩きながら、別の部屋で超音波を流せる
3. 広告の量とタイミング
- 無料アプリには広告が入るが、音量最大で超音波を流している時に、広告が大音量で流れるというトラブル報告あり
- 口コミで「広告のタイミングが悪い」と指摘されているアプリは避ける
4. レビューの内容
- 「効果があった」という口コミだけでなく、「一時的だった」「慣れて戻ってきた」という正直な口コミも参考にする
インストール前に確認したい注意事項
アプリをインストールする前に、必ず確認してほしい注意事項です。
1. アプリ側の注意書きを確認
多くのアプリには、以下のような注意書きがあります:
- 長時間・大音量での使用を控える
- イヤホン・ヘッドホンでの使用を避ける
- 頭痛など悪影響を感じたら直ちに使用をやめる
- 効果を保証するものではない
2. 音が出ているか確認
- 超音波は人間には聞こえにくいため、音が出ているか分からないことがある
- 音量を上げて、わずかに「キーン」という音が聞こえるか確認
- デバイスによっては音が出ていないこともある(タブレットでは音が聞こえなかったという報告あり)
3. バッテリー消費に注意
- 超音波を流し続けるとバッテリーを消耗する
- 充電しながら使用するか、使わないスマホ・タブレットを活用する
使い方のコツ|「置き方・鳴らし方」で失敗を減らす
設置場所の考え方(通り道/巣の近く/遮蔽物を避ける)
超音波アプリの効果を最大化するには、設置場所が重要です。
効果的な設置場所:
- ネズミの通り道:壁際、配管沿い、電線の近くなど
- 巣の近く:天井裏、床下、物置の奥など(スマホを置ける場所)
- フンや齧り跡がある場所:ネズミが頻繁に出没する証拠
避けるべき設置場所:
- 壁や家具に囲まれた場所(超音波が届きにくい)
- 音波が届かない広い空間の中央
設置のコツ:
- スマホを高い位置に置くと、超音波が広範囲に届きやすい
- キッチンの場合:冷蔵庫の裏、収納スペースの奥に向けて設置
- 天井裏の場合:可能であれば、点検口からスマホを置く
運用パターン例(夜間中心・時間帯を変える等)
ネズミは夜行性のため、夜間を中心に超音波を流すのが効果的です。
運用パターン例:
パターン1:夜間集中
- 夕方18時~朝6時まで連続再生
- ネズミの活動時間に合わせて音を流す
パターン2:時間帯をランダムに変える
- 慣れを防ぐため、毎日違う時間帯に流す
- 例:月曜は18~24時、火曜は20~翌朝6時など
パターン3:周波数を日替わりで変える
- 月曜は20kHz、火曜は40kHz、水曜は60kHz(対応アプリのみ)
- ネズミが特定の周波数に慣れるのを防ぐ
効果判定のチェックリスト(フン・足音・かじり跡)
超音波アプリの効果を判定するには、具体的な変化を記録します。
チェック項目:
- フンが減ったか(新しいフンが増えていないか)
- 天井裏や壁の中の足音が減ったか
- 齧り跡が新たに増えていないか
- 食品が荒らされなくなったか
判定の目安:
- 1週間で変化が見られない
- 効果が薄い可能性(設置場所を変える、周波数を変える)
- 2週間で変化が見られない
- アプリ単独では限界(他の対策と併用を検討)
- 一時的に静かになったが、1か月後に戻ってきた
- 慣れた可能性(侵入口封鎖が必須)
安全性は大丈夫?赤ちゃん・ペット・近所への注意
犬猫・小動物がいる家庭でのリスク
超音波アプリはペットにも影響を与える可能性があります。
| ペットの種類 | 影響の可能性 | 理由 |
|---|---|---|
| 犬 | 中~高 | 可聴範囲が広い(65kHzまで)ため、ストレスを感じる可能性 |
| 猫 | 中~高 | 可聴範囲が広い(85kHzまで)ため、ストレスを感じる可能性 |
| ハムスター | 非常に高 | ネズミと同じげっ歯類で、可聴範囲がほぼ同じ |
| ウサギ | 非常に高 | げっ歯類に近く、超音波に敏感 |
| 鳥 | 低 | 可聴範囲が人間に近いため、影響は少ない |
注意点:
- ハムスターやウサギなどの小動物がいる家庭では、超音波アプリの使用は避けるべきです
- 犬や猫がいる場合は、様子を観察しながら使用してください(落ち着きがなくなる、耳を気にするなどの行動があれば中止)
人にも不快に感じる可能性(高周波の聞こえ方)
超音波は「人には聞こえない」とされていますが、個人差があります。
聞こえやすい人:
- 若年層(10~20代)
- 聴力が良い人
- 高周波に敏感な体質の人
よくある症状:
- 頭痛
- 耳鳴り
- 不快感・イライラ
- 集中力の低下
対策:
- 使用中に不快感を感じたら、すぐに使用を中止する
- 長時間・大音量での使用を避ける
- 就寝時に使用する場合は、寝室から離れた場所に置く
音量・使用時間の目安と注意
超音波アプリを安全に使用するための目安です。
音量の目安:
- スマホの音量を最大にする必要はない
- 音量を上げすぎると、人にも不快に聞こえる可能性がある
- まずは中程度の音量から試し、効果がなければ徐々に上げる
使用時間の目安:
- 連続使用は1日8~12時間程度まで
- 24時間連続使用は避ける(バッテリー消耗、デバイスへの負担)
絶対に避けるべき使用方法:
- イヤホン・ヘッドホンでの使用(聴覚への直接的なダメージリスク)
- 人の耳元に近づける(不快感・頭痛の原因)
超音波アプリでダメなら「確実性が高い」ネズミ対策へ
侵入経路の封鎖(ここが最重要)
超音波アプリだけでは根本的な解決にならない最大の理由は、侵入口が塞がれていないことです。
ネズミは体の柔らかさを利用して、わずかな隙間から侵入します。
ネズミが侵入できる隙間の目安:
- クマネズミ:約2cm(500円玉サイズ)
- ドブネズミ:約3cm
- ハツカネズミ:約1.5cm
よくある侵入口:
- エアコンの配管周り
- 換気扇の隙間
- 床下の通気口
- 屋根と壁の接合部分
- 配管や電線の引き込み口
封鎖方法:
- 金網(細かい網目)
- パテ(防鼠パテ)
- 板金(ネズミが齧れない素材)
侵入口を塞ぐことで、超音波で追い出したネズミが再び戻ってくるのを防ぎます。
エサと巣材を断つ(清掃・保管)
ネズミが家に定着する理由は、エサと巣材が豊富だからです。
エサの管理:
- 食品は密閉容器に入れる(齧られない容器)
- 生ゴミはふた付きのゴミ箱に入れる
- ペットフードを出しっぱなしにしない
巣材の管理:
- 新聞紙、段ボール、布、紙袋などを放置しない
- 使わない衣類は密閉容器やプラスチックケースに入れる
- 天井裏や物置の整理整頓を行う
捕獲(トラップ)と配置の基本
超音波アプリと併用して、粘着シートや捕獲器を使うのが効果的です。
粘着シートの使い方:
- ネズミの通り道(壁際)に、複数枚を隙間なく並べる
- 1枚だけだと飛び越えられる
- 新聞紙の上に置くと、粘着力がアップ
毒餌の注意点:
- 子どもやペットがいる家庭では避ける
- 使用する場合は、必ず手の届かない場所に設置
- 死骸の場所が分からなくなるリスクがある
超音波アプリとの併用パターン:
- 超音波で追い払い、逃げ道に粘着シートを設置
- 超音波で警戒心が低下したネズミを、粘着シートで捕獲
被害が大きい場合に業者を検討する判断基準
以下のような状況では、市販品や無料アプリだけでは限界です。
業者への相談を検討すべきケース:
- 何度駆除しても再発する
- 天井裏や壁の中に巣を作られている
- 侵入口が特定できない
- クマネズミで警戒心が強く、罠に全くかからない
- 個体数が多く、繁殖が進んでいる
プロの業者は、侵入口の特定と封鎖、駆除、再発防止まで一貫して対応してくれます。
費用はかかりますが、根本的な解決を求めるなら検討する価値があります。
Q&A:超音波アプリでのネズミ駆除について
無料の超音波アプリに関する、よくある疑問にお答えします。
Q1. 無料アプリだけでネズミはいなくなる?
A. 侵入したばかりで個体数が少ない段階なら、一時的に追い払える可能性はあります。
ただし、侵入口が塞がれていない限り、再び戻ってくる可能性が高いです。アプリ単独での完全駆除は難しいと考えてください。
Q2. 何kHzに設定すればいい?
A. ネズミが嫌がると言われる周波数は20kHz、40kHz、60kHzです。
ただし、スマホでは40kHz以上は出せないことが多いため、20kHz前後を試すのが現実的です。効果が薄いと感じたら、周波数を変えてみてください。
Q3. イヤホンや外付けスピーカーを使うと効果は上がる?
A. イヤホン・ヘッドホンでの使用は絶対に避けてください(聴覚へのダメージリスク)。
外付けスピーカーは、超音波帯域に対応していれば効果が上がる可能性がありますが、一般的なBluetoothスピーカーでは20kHz以上の再生は難しいです。
Q4. 何日くらい試せば判断できる?
A. 1週間程度で変化が見られるかチェックしてください。
フンが減る、足音が静かになるなどの変化があれば効果あり。2週間経っても全く変化がない場合は、アプリ単独では限界と判断し、他の対策を併用してください。
Q5. マンションでも使える?近所迷惑にならない?
A. 超音波は壁を通しにくい性質があるため、隣の部屋に音が届く心配はほとんどありません。
ただし、若い人には聞こえる可能性があるため、同居人がいる場合は様子を見ながら使用してください。
Q6. 効果を保証しているアプリはある?
A. ありません。
ほとんどのアプリには「効果を保証するものではない」という注意書きがあります。
米FTC(連邦取引委員会)も、超音波害虫駆除デバイスの広告が根拠不十分であると注意喚起しています。過度な期待は禁物です。
Q7. 国民生活センターの報告で「超音波が出ていなかった」製品があったって本当?
A. 本当です。
国民生活センターのテストでは、仕様上「22~55kHz」とされる機器で、測定の結果超音波の発生が確認できなかった事例があります(部品不良でスピーカー未接続)。
無料アプリでも、デバイスによっては音が出ていない可能性があるため、事前に確認してください。
Q8. アプリを使っている間、スマホが熱くなるのは大丈夫?
A. 長時間の連続使用でスマホが熱くなるのは正常な動作ですが、異常に熱くなる場合は故障のリスクがあります。
通気性の良い場所に置き、充電しながらの長時間使用は避けてください。
Q9. 「超音波バリア」で若者も追い払えるって本当?
A. アプリには「若者」向けの15kHz設定がありますが、これは「モスキート音」と呼ばれる若年層にしか聞こえない音です。
実際の効果には個人差があり、ネズミ駆除とは別の用途です。
Q10. 超音波アプリと専門機器、どっちが効果的?
A. 専門機器の方が圧倒的に効果的です。
専門機器は40kHz以上の周波数、95dB以上の音圧を出せるため、スマホアプリとは比較になりません。
ただし、専門機器も「単独での確実性は低い」と言われているため、過信は禁物です。
まとめ|「無料超音波アプリ+侵入対策」の併用が現実的
無料の超音波アプリは、お金をかけずに試せる手軽な対策ですが、過信は禁物です。
- 結論:「試す価値はあるが過信NG」。侵入したばかりで個体数が少ない段階なら一時的に追い払える可能性あり
- スマホの限界:周波数は20kHz程度まで、音圧も専門機器より大幅に低い。40kHz以上は出せない
- 効きにくい理由:壁・家具で減衰、ネズミが慣れる、侵入口が塞がれていないと再発
- 安全性:ハムスター・ウサギには使用NG。人にも頭痛・耳鳴りの可能性。長時間・大音量・イヤホンでの使用は避ける
- 確実な対策:侵入口封鎖(最重要)、エサ・巣材管理、粘着シート・捕獲器との併用
- 判断基準:1週間で変化なし→設置場所や周波数を変更、2週間で変化なし→他の対策併用を検討
無料アプリは「完全駆除」ではなく、あくまで「一時しのぎ・時間稼ぎ」です。
最も重要なのは侵入口の封鎖であり、これなしでは何度追い出しても戻ってきます。
アプリを試しつつ、並行して侵入口の特定と封鎖を進めるのが、現実的で効果的なアプローチです。