猫がネズミ駆除剤を食べてしまったかもしれない。
駆除剤を設置している家で猫を飼っている場合、このような不安は常につきまといます。
実際に猫が駆除剤を誤食すると、命に関わる中毒症状を起こす可能性があります。
この記事では、猫が駆除剤を食べた場合の症状、緊急対処法、そして予防策まで詳しく解説します。
猫がネズミ駆除剤を食べるとどうなるか
殺鼠剤中毒とは
ネズミ駆除剤(殺鼠剤)は、血液を固める機能を阻害する薬剤です。
猫が誤って駆除剤を食べると、殺鼠剤中毒を起こします。
主な成分と危険性:
- ワルファリン(第1世代):継続的な摂取で致死量に達する
- ジフェチアロール・ダイファシノン(第2世代):1回の摂取で致死量に達する
第2世代の駆除剤は、1回食べるだけで効くように作られているため、猫にとってより危険です。
中毒症状
よく見られる症状:
- 食欲不振
- 嘔吐
- 呼吸困難
- 意識障害(ぼんやりしている、元気がない)
- 嗜眠(異常に眠そうにしている)
出血に関する症状(必ずしも現れない):
- 鼻血
- 血尿
- 血便
- 皮下出血(血腫)
- 歯茎からの出血
重症化すると:
- ひどい貧血
- 低血液量性ショック
- 死亡
症状が出るまでの時間
駆除剤を食べてから症状が出るまでには、数時間から数日かかります。
そのため、誤食に気づかず、症状が出てから初めて発覚するケースも少なくありません。
時間が経つほど症状は悪化するため、少しでも疑わしい場合は、すぐに動物病院に連絡してください。
猫が駆除剤を食べた時の緊急対処法
すぐに動物病院へ連絡
猫が駆除剤を食べた、またはその疑いがある場合:
- すぐに動物病院に電話する
- 食べた駆除剤のパッケージを持参する(成分の特定に必要)
- 食べた量と時間を伝える
- 無理に吐かせない(誤嚥のリスクがあるため)
やってはいけないこと
- 自己判断で吐かせる
- 様子を見る(時間が経つほど危険)
- 水や牛乳を無理に飲ませる
殺鼠剤は小さな哺乳動物を死亡させるほどの薬剤であり、農薬や殺虫剤に比べて毒性が強いです。
少量でも必ず獣医師の診察を受けてください。
動物病院での診断と治療
診断方法
- 血液凝固検査:血液が正常に固まるかを確認
- 診断的治療:ビタミンK1を投与し、24時間以内に改善が見られるかチェック
- 成分の特定:駆除剤のメーカーに問い合わせ、原因物質を特定
治療内容
軽度~中度の場合:
- ビタミンK1の投与(血液凝固機能を回復させる)
- 安静のためケージレスト
- 対症療法
重度の場合:
- 輸血(ひどい貧血や低血液量性ショックに対して)
- ビタミンK1の継続投与
- 集中治療
治療期間
治療期間は、誤食した駆除剤の種類によって異なります。
- 第1世代(ワルファリン):数週間程度
- 第2世代(ジフェチアロール等):数週間~数ヶ月
駆除剤を食べたネズミを猫が食べた場合
二次中毒のリスク
結論:駆除剤を食べたネズミを猫が1匹食べても、中毒死することはほとんどありません。
ただし、以下の条件が重なると危険性が高まります。
危険なケース:
- 毎日のように駆除剤を食べたネズミを捕食している
- 複数匹(数十匹)のネズミを短期間に食べた
- 即効性の毒(リン化亜鉛)を使用している場合
二次中毒が起きにくい理由
体重差による希釈効果:
- ネズミ:100~300g
- 猫:3.5~4.5kg
- 体重差は約20~30倍
ネズミ1匹に含まれる駆除剤の量は、猫の致死量には達しません。
法規制:
- 毒劇法や農薬取締法により、二次汚染が起きにくいよう製品化されている
それでも注意が必要
恒常的に駆除剤が撒かれている環境で、猫が毎日のようにネズミを捕食する場合は、体内に毒物が蓄積される可能性があります。
少しでも異変を感じたら、すぐに動物病院へ。
猫がいる家庭でのネズミ駆除剤使用時の注意点
絶対に守るべきこと
- 猫が絶対に入れない場所にのみ設置する(天井裏、床下など)
- 駆除剤のパッケージは必ず保管する(誤食時に成分特定が必要)
- 駆除剤を食べたネズミの死骸は速やかに回収する
- 夜間のみ設置し、昼間は撤去する(可能な場合)
より安全な駆除方法
猫がいる家庭におすすめの代替案:
- 粘着シートタイプ:毒性がなく安全
- 忌避剤(天然ハーブ系):追い出すタイプで駆除剤より安全
- 超音波タイプ:薬剤を使わない(ただし猫によっては不快に感じる場合も)
- プロの駆除業者に依頼:猫がいることを伝えれば、安全な方法を提案してくれる
| 駆除方法 | 猫への安全性 | 駆除効果 |
|---|---|---|
| 殺鼠剤 | 危険 | 高 |
| 粘着シート | 安全 | 中 |
| 天然忌避剤 | 安全 | 低~中 |
| 業者依頼 | 安全 | 高 |
よくある質問:猫とネズミ駆除剤
Q1. 猫が駆除剤を食べたかもしれませんが、元気そうです。病院に行くべきですか?
A. はい、必ず動物病院に連絡してください。
殺鼠剤中毒は症状が出るまでに数時間から数日かかります。元気に見えても、体内では既に出血が始まっている可能性があります。
時間が経つほど症状は悪化するため、疑わしい時点ですぐに受診することが重要です。
Q2. 完全室内飼いですが、駆除剤を食べたネズミが家に入ってきた場合、猫が食べてしまう可能性はありますか?
A. 可能性はあります。
ただし、駆除剤を食べたネズミ1匹を猫が食べても、中毒死することはほとんどありません。
それでも、死骸を見つけたらすぐに回収し、猫に異変がないか注意深く観察してください。
念のため動物病院に相談することをおすすめします。
Q3. 猫がいる家庭では、ネズミ駆除剤は使わない方がいいですか?
A. 猫が絶対に入れない場所(天井裏、床下など)にのみ設置するか、粘着シートや忌避剤など毒性のない駆除方法を選ぶことをおすすめします。
どうしても駆除剤を使う必要がある場合は、猫の安全を最優先に考え、プロの駆除業者に相談してください。
Q4. 猫用のフードと間違えて駆除剤を食べることはありますか?
A. 駆除剤には誤食防止のため安息香酸デナトニウム(苦味成分)が配合されていますが、猫が好奇心で口にする可能性はゼロではありません。
駆除剤は猫の目につかない、手が届かない場所に設置し、フード置き場からは離してください。
まとめ:猫の安全を最優先に
猫がネズミ駆除剤を食べた場合の対処法について解説しました。
- 駆除剤は血液凝固を阻害し命に関わる中毒を起こす
- 第2世代駆除剤(ジフェチアロール等)は1回で致死量
- 誤食した場合はすぐに動物病院へ連絡
- 駆除剤を食べたネズミ1匹なら二次中毒のリスクは低い
- 猫がいる家庭では粘着シートや忌避剤が安全
- 駆除剤を使う場合は猫が入れない場所にのみ設置
ネズミ駆除は重要ですが、大切な家族である猫の安全を最優先に考えましょう。
猫がいる家庭では、毒性のない駆除方法を選ぶか、プロの駆除業者に「猫がいる」ことを伝えて相談することをおすすめします。
少しでも異変を感じたら、迷わず動物病院へ。早期発見、早期治療が猫の命を救います。

